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【第3回】ネガティブプロンプトで違和感や奇形を減らす

AIイラスト

ネガティブプロンプト初期設定のおさらい

前回予告した通り、今回はネガティブプロンプトで違和感や奇形を減らす方法を学んでいきましょう。
まず、【第1回】でも紹介した通りですがネガティブプロンプトの初期設定は以下の通りとなっております。

(worst quality, low quality:1.4), (greyscale, monochrome:1.1), cropped, lowres , username, blurry, trademark, watermark, title, strabismus, clothing cutout, side slit,worst hand, (ugly face:1.2), extra leg, extra arm, bad foot, text, name, badhandv4, easynegative, EasyNegativeV2, negative_hand, ng_deepnegative_v1_75t

直訳すると、以下の通りになります。
(最悪の品質、低品質:1.4)、(グレースケール、モノクロ:1.1)、トリミング、低解像度、ユーザー名、ぼやけ、商標、透かし、タイトル、斜視、衣服の切り抜き、サイドスリット、最悪の手、(醜い顔:1.2)、 余分な脚、余分な腕、悪い足、テキスト、名前、badhandv4、easynegative、EasyNegativeV2、negative_hand、ng_deepnegative_v1_75t

【第1回】の記事でネガティブプロンプトについてCopilotによる解説が記載されておりますので、
分からない方はご参照いただければと思います。

ネガティブプロンプトのワード1つ1つを紐解いていきたい所ですが、
それはまた別の記事で実施することとし、今回は最低限取り除かなければならない違和感や奇形を取り除くことを目標としましょう。
余分な脚余分な腕悪い足というのはもうすでに入っているようです。
それでは、まず「extra fingers」(余分な指)を付け加えることとしましょう。

試しに手が映る構図にするためプロンプトに「waving at the camera」(カメラに手を振る)を追加し、
ネガティブプロンプトは初期設定のままイラストを作成してみます。

(masterpiece), best quality, expressive eyes, perfect face
waving at the camera

んー、一応5本の指なのでギリギリセーフに思えるかもしれませんが、違和感はありますね。

反対呪文「extra fingers」(余分な指)追加

一応ネガティブプロンプト「extra fingers」(余分な指)追加を試してみましょう。
(現状、5本なのであまり結果は変わらないかもしれませんね)

1枚目の左手は変ですが、それ以外はそれほど悪くないですね。
ただ、これではネガティブプロンプト入力前からの変化があまり分かりません

呪文「perfect hand」「perfect finger」追加

では、試しにプロンプトに「perfect hand」「perfect finger」と入れてみましょうか。

(masterpiece), best quality, expressive eyes, perfect face
waving at the camera,perfect hand,perfect finger

んーーー、全く意味がない。むしろ悪くなってしまっていますね。(難しい・・・。)
良い方法がないか少し調べてみることとします。
(ちなみにfingerをfingersにしても同じ結果でした。)

反対呪文に様々なワードを追加

ネガティブプロンプトを増やす方向で攻めてみましょう。
「many fingers」(多い指)、「fewer fingers」(少ない指)、「bad hand」(悪い手)、
「bad fingers」(悪い指)、「missing fingers」(欠けた指)、「bad anatomy」(悪い解剖学)
「mutated hands」(突然変異した手)「malformed hands」(奇形の手)「liquid fingers」(液体の指)
あえて先ほど追加したプロンプトは追加したままとします。

(masterpiece), best quality, expressive eyes, perfect face
waving at the camera,perfect hand,perfect fingers

ネガティブプロンプト↓

(worst quality, low quality:1.4), (greyscale, monochrome:1.1), cropped, lowres , username, blurry, trademark, watermark, title, strabismus, clothing cutout, side slit,worst hand, (ugly face:1.2), extra leg, extra arm, bad foot, text, name, badhandv4, easynegative, EasyNegativeV2, negative_hand, ng_deepnegative_v1_75t
extra fingers,many fingers,fewer fingers,bad hand,bad fingers,missing fingers,bad anatomy,mutated hands,malformed hands,liquid fingers

ぜ、全然良くならない・・・。嘘を付いて上手くいった画像だけ貼っていたらこのブログの意味がないので、
事実を淡々と共有させていただきます・・・。

「呪文追加=改善とは限らない」という考察

プロンプトに「perfect hand」「perfect finger」と入れてから余計悪くなったように見えるため、
一度こちらを抹消してネガティブプロンプトのみで良くなるか見てみましょう。

(masterpiece), best quality, expressive eyes, perfect face
waving at the camera

ネガティブプロンプト↓

(worst quality, low quality:1.4), (greyscale, monochrome:1.1), cropped, lowres , username, blurry, trademark, watermark, title, strabismus, clothing cutout, side slit,worst hand, (ugly face:1.2), extra leg, extra arm, bad foot, text, name, badhandv4, easynegative, EasyNegativeV2, negative_hand, ng_deepnegative_v1_75t
extra fingers,many fingers,fewer fingers,bad hand,bad fingers,missing fingers,bad anatomy,mutated hands,malformed hands,liquid fingers

50%ぐらい改善したように思えます。
これは私の考察(推察)なのですが、呪文に「perfect hand」「perfect finger」などを入れると、
手や指を主張した絵になるのではと思います。
そして前提としてAIイラストは腕、手、指などを描くことが苦手であることを理解する必要があります
つまり、「手を主張した構図を作るということは、奇形化のリスクが上がるということを知っておくのも大切なのではないかと思いました。
残念ながら今日の時点ではネガティブプロンプトなどによる指の改善はほとんど解決には至りませんでした
上記の内容を受け入れた上でイラストを作成するには、
手が映らない構図にする」「手は後から別のツールや手書きなどにより個別で修正する
せめて手を開かない形としリスクを減らす」などの考え方も必要になってくると思います。

まとめ

  • ネガティブプロンプトにより指の奇形化リスクを無くすことは極めて難しい
  • AIイラストは指の描写が苦手であることを受け入れ、そもそも開いた手が映る構図としない等の考え方も重要である
  • 良い手や良い指にしようとしてプロンプトを追加しようとすると、かえって苦手な部分を主張することとなり、奇形化リスクが増すこともあると理解することも重要

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